刑事弁護士は、法廷弁護活動以外にも、様々な活動をしています。時には、人目につかない地道な仕事が求められるときもありますが、残念ながらそのような仕事の多くは一般には知られていません。そこで、刑事・少年事件に興味のある司法修習生、法科大学院生、法学部生向けに、全国的な刑事総合法律事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所における刑事弁護士の仕事概要を何回かにわたってご紹介しています。今回は、弁護士によるあらゆる弁護活動の基礎であり刑事弁護・少年付添人活動の核心である捜査・法調査についてご紹介します。
刑事弁護士の仕事 捜査・法調査
刑事裁判は、証拠に基づいて認定された事実に法律を適用して行われます。刑事裁判の不可欠な要素である証拠に基づく事実と法律の規定を探求するのが捜査・法調査になります。事実及び証拠の探求と裏付け捜査、法制度及び法律規定の調査、どちらの活動も弁護士の経験と地道な努力が最も要求される弁護活動の基礎にして刑事弁護・少年付添人活動の核心となる活動です。依頼者を救い真の事件解決を目指すためには、弁護士は地道な捜査および調査活動を積み重ねる必要があります。
法制度及び法律規定の調査では、法律の規定や判例の調査だけをすれば済むわけではありません。必要に応じて、関連する学会での論文、立法過程で出た委員会や議会での議論、立法の背景事情、施行規則、運用に関する行政通達の調査までその対象は多岐にわたります。事実および証拠の捜査についても、被疑者や被告人の話を聞いて終わりではありません。事件当事者の話を聞いたら終わりではありません。現場検証して終わりでもありません。刑事事件・少年事件の捜査には「これをやればもう十分」という明確なマニュアルはありません。事件関係者からの事情聴取、被疑者の家族や同僚からの事情聴取に始まり、医師・児童相談所・シェルター関係者・データ解析業者・科学鑑定業者からの聴き取り、官公庁や関係企業への照会、犯行再現、実証実験、防犯カメラ映像の解析・確認、デジタルデータのフォレンジック、法医学鑑定の依頼など弁護士が行う捜査活動は多岐にわたります。
法律知識と真実に近づくための証拠は待っていても来ません。刑事弁護士は、地道な捜査・法調査活動によって、見落としている点や新たな視点がないか弁護士自身が考え抜いていく必要があります。地味で大変な仕事ですが、だからこそ新しい法律知識や新しい事実・証拠を発見したときのの感覚は、他の仕事では得難い快感です。自分の努力が報われたという思いもありますが、それ以上に「これが真実に近づく有力な知識と証拠になりうるのでは」という期待感があるのです。捜査・法調査活動は、「自分の努力によって一人の人生を救えるかもしれない」という希望の第一歩なのです。
事務所概要
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な刑事事件・少年事件のみを専門的に取り扱う全国的刑事総合法律事務所です。創立以来、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動に従事し、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱っています。現在は、北海道は札幌から、仙台、さいたま、千葉、東京(新宿・八王子)、横浜、名古屋、京都、大阪、堺、神戸、九州は福岡博多まで全国に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元警察官等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。高い専門性と全国規模の弁護活動で、年間300件以上の不起訴・不処分(無罪判決含む)及び年間150件以上の身柄解放という圧倒的な解決実績を誇ります。刑事・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び業務支援制度を整え、高レベルの弁護サービス普及を目指しています。
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